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「放生会おはじき」が中止になった理由と今後の対応 [博多の伝統工芸]

博多の三大祭の一つである放生会


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放生会の名物の一つである「おはじき」が今年から販売中止になりました!


なんで~??と思う方もおられて当然。


毎年テーマを替えて博多人形師の方々が作られるのを楽しみにしていた方もおられるはず。


「放生会おはじき」が中止になった理由




「放生会おはじき」が中止になった理由はいくつかありますが、


1 購入者が筥崎宮周辺で徹夜して順番を争う。

2 購入者の騒音や駐車場待ちの車の騒音などに近隣住民からの苦情が多いこと。

3 トラブルが多く、神職が神事に集中できない。

4 ネットオークションに出品するのが目的で購入している者もいる。

5 博多人形師の白彫会のメンバーの高齢化が進み、1人で2000個以上のおはじきを作るのが大変。



これらが主な理由ですが、どれもご尤もな理由ばかりではないでしょうか?


ネットオークションの出品目的などと、こすっからしいことを企む人が徹夜で並んでトラブルメーカーになっていたとしたら、考えただけでも腹だたしい。


「放生会おはじき」をやめてからの今後の対応




上記の理由から「放生会おはじき」は2017年の秋の放生会から中止となったのですが、やはり惜しむ方も多いはずなので、放生会限定販売をやめることにして、「通年販売のおはじき」としてスタイルを変更することになりました。


名称は「筥崎宮おはじき」と呼ぶそうです。


購入者心理から申しますと、「●●限定」だとか「リミテッドエディション」などと言う言葉に弱いのですが、私は前の日の夜から並ばないと購入できない状況に少なからず疑問を抱いていましたので、今回の措置は実に正しい措置ではないかと思います。


博多を愛する方や博多いや福岡出身の方がお土産として、いつでも購入できるほうが喜ばしいことではないでしょうか?


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名物「放生会おはじき」が中止になったからとて、放生会は博多の三大祭の一つであることは変わりありません。


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時代のキーワードは既に「モノより体験」です。


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好きな方と放生会の夜を楽しむのも良いですし、ご家族でワイワイガヤガヤの放生会の出店を楽しむのもこれまた良しなはずです。


でも、これで私も徹夜などせずに「筥崎宮おはじき」が購入できるので、逆に楽しみです。



「筥崎宮おはじき」の販売時期や価格は今のところ協議中。



「放生会おはじき」で例年変えていたテーマを固定し、筥崎宮に参拝に来られた方が年中購入できるようになるのだそうです。



決まったら、買いに行きたいですね~!
なんとなく、待ち遠しい・・・。











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博多鋏が欲しい方のためのお値段と高柳商店 [博多の伝統工芸]

どんなにIT化が進もうと、手仕事ならではの味わいを感じさせるものが博多にはあります。



長い歴史と伝統の中で培われ、受け継がれてきた博多の伝統工芸品がその最たるモノの一つ。



博多の伝統工芸品のひとつが博多鋏(はかたばさみ)



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「提供:福岡市」


切れ味の良さで定評がある博多鋏は、博多に暮らす庶民の生活のツールとして使われてきたのです。



博多鋏の豆知識




今から700年前に博多に帰化した謝国明が博多に持ち帰った唐鋏と言われるものが、日本の最初の鋏であると言われています。


江戸時代末期の頃、博多の箔屋町に住んでいた刀鍛冶師の安河内卯助が唐鋏の製作をはじめ、世に送り出した。


1880年に高柳亀吉が安河内卯助の弟子となり、師匠の刻印である「卯」の印の継承を貰ったのです。



1887年に高柳亀吉は独立し、唐鋏を博多鋏と改名。



驚くことに昭和10年代までは、ハサミと言えば博多鋏のことを指し、20軒以上の製作所があったそうです。



博多鋏の値段




注文してから引渡しまで半年から1年ぐらいはかかると言われるのが博多鋏。


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「提供:福岡市」



博多鋏 5寸 8208円(税込)
博多鋏 4寸 7020円(税込)


決して安くはないけど、一生モノと思えば決して高いとも言えません。



高柳商店




博多鋏を購入するには高柳商店に行くしかありません。
福岡県福岡市博多区冷泉町6-28
092-291-0613 



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「提供:福岡市」



すべて手作業なので、1日3本の製造が限界だと言われています。








ますます欲しくなりませんか?








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「博多曲物(はかたまげもの)」が復活の兆し [博多の伝統工芸]

若い方々の中には、「博多曲物(はかたまげもの)」をご存知ない方が多い。



江戸時代の地方誌「筑前国続風土記」にも登場する歴史のある工芸品なのである。



スギやヒノキの薄板を曲げて箱や茶器などを作る博多の伝統工芸品の一つである。







福岡県知事指定の特産民芸工芸品にもなっていて、スギやヒノキの薄板に熱を加えて曲げ、綴じ合わせにサクラの木の皮を使うというナチュラルな工芸品でもある。


「博多曲物(はかたまげもの)」



そもそも、「博多曲物(はかたまげもの)」は、放生会でお馴染みの筥崎宮に奉納される神具として作られ始めたものが、時代を経て米びつや弁当箱や蒸し器などの日用品にもなっていた。



第二次世界大戦前の昭和10年代ぐらいには筥崎宮近くの馬出(まえだし)地区には20軒以上もの工房があったそうである。



だが、高度成長期の昭和30年代には安価なプラスチックの登場と生活様式の変化によって、「博多曲物(はかたまげもの)」の需要はどんどん減っていった。



ところが、糟屋郡志免町に工房を持つ女性の博多曲物師である柴田玉樹さんは、博多曲物を後世に残すべく「時代に合わせた作品」作りを手掛け、ワインクーラーやCDケースを考案したりしている。



更には弁当箱の販路を拡大するべくインターネットの通販サイトで販売を始めたところ、年間の売上高が2倍となり、海外からのアクセスも増えているそうである。



だが、一度購入したら長く使えるのでリピーターはなかなか難しいと考えており、将来的にはヨーロッパへも販路を拡大したいと考えているそうである。



折りしも花粉症真っ只中の時期でもある。



高度経済成長期に日本全国で植林されたスギやヒノキは、皮肉にも東南アジア方面から輸入される安価なラワンやチーク材の需要により全国的に放置されっぱなしで、花粉が猛威を振るっている。



過度なスギやヒノキの伐採は地崩れなどの問題を引き起こしかねないが、ある程度の間引きによって「博多曲物(はかたまげもの)」の原材料は潤沢に準備できるのではないだろうか?



問題は「博多曲物(はかたまげもの)」を作成する技術の伝承である。



儲かるものだったら黙っていても、技術を修得したい若者が増えるだろうが、食べていくのがやっと、下手をすれば生活できないとなれば、正直若い方が曲物師になろうと思う確率は少ない。



プロ野球選手やサッカー選手になりたい少年は多いが、博多曲物師になりたいという少年が現れるためには、販売実績人材の指導育成は欠かせません。



残さねばならない博多の伝統工芸品です。



最近のお弁当ブームで決して安価とは言えない博多曲物の弁当箱も売れているようです。



郷土愛がある方伝統を守り続けたい方は購入してその良さを広めることが、より一層の販路拡大に繋がり、「博多曲物」を後世に残せるのではないかと思います。



職場に博多曲物のお弁当箱を持って行くなんて、ではないでしょうか?























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