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「博多曲物(はかたまげもの)」が復活の兆し [博多の伝統工芸]

若い方々の中には、「博多曲物(はかたまげもの)」をご存知ない方が多い。



江戸時代の地方誌「筑前国続風土記」にも登場する歴史のある工芸品なのである。



スギやヒノキの薄板を曲げて箱や茶器などを作る博多の伝統工芸品の一つである。







福岡県知事指定の特産民芸工芸品にもなっていて、スギやヒノキの薄板に熱を加えて曲げ、綴じ合わせにサクラの木の皮を使うというナチュラルな工芸品でもある。


「博多曲物(はかたまげもの)」



そもそも、「博多曲物(はかたまげもの)」は、放生会でお馴染みの筥崎宮に奉納される神具として作られ始めたものが、時代を経て米びつや弁当箱や蒸し器などの日用品にもなっていた。



第二次世界大戦前の昭和10年代ぐらいには筥崎宮近くの馬出(まえだし)地区には20軒以上もの工房があったそうである。



だが、高度成長期の昭和30年代には安価なプラスチックの登場と生活様式の変化によって、「博多曲物(はかたまげもの)」の需要はどんどん減っていった。



ところが、糟屋郡志免町に工房を持つ女性の博多曲物師である柴田玉樹さんは、博多曲物を後世に残すべく「時代に合わせた作品」作りを手掛け、ワインクーラーやCDケースを考案したりしている。



更には弁当箱の販路を拡大するべくインターネットの通販サイトで販売を始めたところ、年間の売上高が2倍となり、海外からのアクセスも増えているそうである。



だが、一度購入したら長く使えるのでリピーターはなかなか難しいと考えており、将来的にはヨーロッパへも販路を拡大したいと考えているそうである。



折りしも花粉症真っ只中の時期でもある。



高度経済成長期に日本全国で植林されたスギやヒノキは、皮肉にも東南アジア方面から輸入される安価なラワンやチーク材の需要により全国的に放置されっぱなしで、花粉が猛威を振るっている。



過度なスギやヒノキの伐採は地崩れなどの問題を引き起こしかねないが、ある程度の間引きによって「博多曲物(はかたまげもの)」の原材料は潤沢に準備できるのではないだろうか?



問題は「博多曲物(はかたまげもの)」を作成する技術の伝承である。



儲かるものだったら黙っていても、技術を修得したい若者が増えるだろうが、食べていくのがやっと、下手をすれば生活できないとなれば、正直若い方が曲物師になろうと思う確率は少ない。



プロ野球選手やサッカー選手になりたい少年は多いが、博多曲物師になりたいという少年が現れるためには、販売実績人材の指導育成は欠かせません。



残さねばならない博多の伝統工芸品です。



最近のお弁当ブームで決して安価とは言えない博多曲物の弁当箱も売れているようです。



郷土愛がある方伝統を守り続けたい方は購入してその良さを広めることが、より一層の販路拡大に繋がり、「博多曲物」を後世に残せるのではないかと思います。



職場に博多曲物のお弁当箱を持って行くなんて、ではないでしょうか?























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